3月菜の花
3月菜の花
菜の花は、野菜(菜っ葉)の花という意味です。
ハナナ(花菜)、ナタネナ(菜種菜)、アブラナ(油菜)の名を略して菜と呼び、その花を「菜の花」と呼んでいます。
原産は地中海沿岸で弥生時代には中国から渡来したといわれ、ナタネの花の実から油を採ったり、食用にしたり、観賞用としても親しまれています。
菜の花は観賞用、食用、採油用など、用途によって品種が違い、イメージも異なります。
菜の花は、春に良く見られる黄色い花の総称として使われるが、普通河川敷などで見かけるのは西洋油菜です。
一面に広がる黄色い花は早春の風物詩であり、多くの観光スポットがあり、栽培されることも多く見られます。
食用の菜の花は、フキノトウなどとともにいち早く春の訪れを告げてくれる野菜で12月ごろから出回り、2~3月が旬です。
柔らかな蕾、みずみずしい緑の花茎、ほのかな苦み等春の息吹が感じられます。
お浸し、からし和え、胡麻和え、菜の花漬けや、他の葉物野菜と同じ感覚で、炒め物や肉料理の付け合わせとして料理の食材として利用されています。
菜の花は、良質のタンパク質やビタミン、ミネラル類を含み、栄養価が高く、注目されています。特に、カルシウムは生葉でホウレンソウの3倍含まれています。体の抵抗力を高めたり、高血圧の予防など、旬の時期は積極的に食べたい野菜です。
また菜の花は昔から身近な植物であったため、文学や言葉に多く登場します。
菜種梅雨
3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花(別名 菜種)の咲いている時期に降り続く雨のことを「菜種梅雨」と言います。
菜の花の甘い香りが漂ってきそうな名前ですね。
菜の花をはじめ色々な花を催す(咲かせる)という意味で、「催花雨(さいかう)」という別名もあります。
同じ発音の「菜花雨」(菜種の花の雨)から「菜種梅雨」になったという説もあります。
春雨(はるさめ)は、このころの優しい雨のことを言う場合が多いようです。
作家・司馬遼太郎が菜の花やタンポポなど野に咲く黄色い花を好んだのは有名な話です。
高田屋喜兵衛を主人公にした「菜の花の沖」という小説があり、命日の2月12日は菜の花忌として知られています。
3月の桃の節句には桃の花とともに菜の花が飾られます。
春をイメージする暖かい花であるとともに、菜種から菜種油を取ったことから、灯明を意味することもあるようです。(幼くして亡くなってしまった子どもを偲んで手向ける意味合い)
菜の花プロジェクト
菜の花の栽培とそれによって得られる資源を地域内で有効的に活用することで「地域自立の資源循環サイクル」を構築する取り組み。
休耕田や転作田を活用して菜の花を栽培します。
菜の花は観光利用や養蜂などに利用されながら、やがて実をつけ、刈り取られたナタネは搾油され、遺伝子組み換えのない安全、安心なナタネ油として家庭や学校給食に利用されます。
搾油の時に生まれる油かすは飼料や肥料として有効活用され、家庭や学校からの廃食油は地域の協力により回収され、せっけんやBDFにリサイクルされ、再び地域で利活用されます。
このように、ムダ(ゴミ)になるものをできるだけ少なくし、私たちの知恵と力で、資源として地域の中で連鎖させ、生かして使うことで、循環型社会が現実のものに近づいてきます。