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3月アセビ

3月アセビ

アセビは本州(東北以西)、四国、九州に分布する常緑の小高木。樹高は3mぐらいですが、自生地にはもっと大きくなったものも見られます。
庭園や公園ではサツキやツツジのように植え込みに使われることも多い。
開花時期は2月中旬から4月中旬で庭園樹や公園樹の他、盆栽、鉢植えでもよく見かける。
華やかな春の花木の中では小さい花で目立たないが垂れ下がったつぼ型の小花を愛好する人も多くみられる。

アセビの名所と言えば奈良公園、そこかしこでアセビの花が咲きます。
春日大社二の鳥居から志賀直哉旧居のある高畑町へ続く「下の禰宜道」(しものねぎみち)通称「ささやきの小径」は道を覆うたくさんのアセビが見られる名所です。
奈良公園には神の使いの鹿がアセビ以外の木を食べてしまうのでアセビ(馬酔木)の木がたくさん残っています。そのため、シカクワズ(鹿食わず)とも呼ばれるそうです。

万葉集にも10首が詠まれており古くから日本で親しまれている花木です。
万葉集の頃はアシビと呼ばれたらしい。
1928年の水原秋櫻子が作った俳句の雑誌の名前も「馬酔木(あしび)」であり、文人の好まれたようです。
堀辰夫の[浄瑠璃寺の春]の書き出しは
「この春、僕はまえから一種の憧れを持っていた馬酔木の花を大和路のいたるところで見ることができた」で始まっています。

植物学的には「アセビ」、文学的には「アシビ」、化学的には「アセボ」が使われているようです。

名前の由来

人が食べると足が痺れたようになるので「足しびれ」と呼ばれ、それが転化してアセビ又はアシビとなりました。具体的な中毒症状は吐く、下痢、腸からの大量出血などが挙げられます。
かつては葉を煮出して殺虫剤として利用されたそうです。

漢字で「馬酔木(アセビ)」と書くのはアセボトキシンいう有毒成分があり、馬が食べると神経が麻痺し酔ったような状態になる事に由来します。
でもなぜ馬なのか、馬酔木をアセビとはなかなか読めない。

植物学者の前川博士は、アセビは中国では珍しい木で、中国黄河流域で栄えた人々が馬を携えて移住してきた。アセビを知らない馬たちはアセビが有毒であるのを知らずに食べ、中毒死する馬が続出した。
アセビが有毒であることが判りやすい名前が必要であり、馬が食べると足がしびれる木と名付けたと説明している。
馬酔木の名前は、アセビの後に充てられた言葉で、中国でも現在はアセビ(馬酔木)の名前を使っている。

アセビの栽培管理

アセビの管理ですがいつ剪定したらよいか迷うことが多い庭木です。
花後に葉を残しながら浅く剪定するのがいいのですがアセビの開花は個体差が大きく、日の当たらない樹冠内部には葉がありません。
剪定がきつすぎて葉が無くなると枯れてしまいます。葉のある枝の剪定は、込み入った枝を間引きするぐらいです。
例外なく行うことは、花の咲き終わった花穂を切り取ることです。花穂をいつまでも付けていると、新葉の展開が遅れ、木が弱ります。
また、アセビには必ずお礼肥えをします。アセビは重粘土の土では根張りが悪く、細根が少なく株枯れが多く見られます。
お礼肥えは腐葉土と骨粉を土に混ぜ、株元に施します。腐葉土は根張りを良くし、保水性を高めます。
骨粉はリン酸分が多く、花つきを良くするために与えます。アセビは乾燥を嫌うのでマルチングをするのも乾燥を防ぐ方法です。

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