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12月プラタナス

12月 プラタナス

プラタナスはスズカケノキ科スズカケノキ属の樹木の総称でスズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキがある。

中近東原産のスズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種がモミジバスズカケノキで3種の樹木の特徴は良く似ているが、葉の形や実の付き方など微妙な差が有る。

モミジバスズカケノキの葉は3〜5裂するがアメリカスズカケノキよりは深く切れ込み、果実はほとんどが1つの柄に2個〜3個つく。

この木で特徴的なのは、なんと言っても実です。
春の小さな黄緑色の実が、夏には痩果をまとった大きな実へ。
鈴懸に似た長い柄の先に垂れ下がる丸い果実は熟しても長く樹木に残り、冬枯れのプラタナスに多数の実がぶら下がっている光景は風情が有る。

果実は多数の堅果が球状に集まった直径3~4cmの集合果。はじめ緑色であるが熟すと褐色になる。
一つの果柄に付く実の数は樹種により異なる。
*スズカケノキ:3~5個
*アメリカスズカケノキ:1個
*モミジバスズカケノキ:2~1個

プラタナスは明治中期にヨーロッパから導入された樹木であって、文明開化の流れを感じさせる樹木として、各地の公園樹・街路樹として積極的に植栽された。
樹高が15~30mの高木になり大きな葉が豊かに繁るので、緑の木陰を楽しむ公園樹・街路樹に適している。世界四大街路樹(プラタナス、ニレ、ボダイジュ、マロニエ)の筆頭に挙げられている。

プラタナスの語源
属名の学名「Platanus(プラタナス)」は、ギリシア語の「platys(広い)」を語源とし、葉の幅の広いことや枝が広がることに由来するといわれます。
和名の「篠懸の木(スズカケノキ)」は、プラタナスの実が山伏の着る篠懸衣(すずかけごろも)の結袈裟についている球状の飾り(梵天)に似ていることに由来します。
また、プラタナスの実が鈴のようにかかっていることから「鈴懸の木(スズカケノキ)」とも書かれます。

古代ヨーロッパではプラタナスの木がたくさん植えられていたという。
ソクラテスやプラトンなどの古代ギリシア哲学者が木陰で弟子たちに講義したというのでこの木は学問の木といわれている。

同じく古代ギリシアの医者であるヒポクラテスもプラタナスの木陰で弟子に医学を説いたと言われ、現在もギリシャのコス島の広場には「ヒポクラテスの木」と呼ばれる巨樹があるという。
1977年日本赤十字社の創立100周年の際にはギリシャ赤十字社から「ヒポクラテスの木」が記念樹として贈られ、それから増やされたプラタナスが医学教育のシンボルとして病院や大学に植えられた例も多い。

はしだのりひことシューベルツの「風」やAKB48の「鈴懸の木の道で」など多くの歌謡曲でプラタナスが取り上げられている。
プラタナスは街路樹として身近な存在であると共に、オシャレでロマンチックな雰囲気を漂わせ多くの人の心を捉えている。

プラタナスはひと頃まで街路樹としてふつうに見られたものだが、最近は見かけることが少なくなった。大きな落ち葉が迷惑がられたのだとも聞く。

果実がたくさんできて、1個の果実に500個もの種子がつくので実生から野生で生育したものがあってもよさそうだが、日本には野生の個体はないとされる。
種子は乾燥すると発芽しにくいらしい。

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