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12月ナンテン

12月ナンテン

ナンテンは関東以西の比較的暖かい地域に自生する常緑または半常緑の低木です。
暖かい季節には濃い緑色の葉を茂らせ、寒さに当たると赤みを帯びて紅葉します。
12月の花だと思うのは、師走の寒くて気ぜわしい時に美しい真っ赤な赤い実をみるとホッとするからです。
赤い実は火を感じさせ、気持が温まります。
万両、千両等赤い実の植物が正月に飾られるのも同じ理由だと思います。

ナンテンは「難を転じる」と音読でき、さらには「難を転じて福となす」の言葉を重ねて、災いを幸福に変える縁起の良い樹木として古くから鬼門や玄関などに植栽されています。
またナンテンは性質が丈夫で子孫繁栄の象徴である実をたくさん実らせます。

また、葉と実にはそれぞれ薬効があり、漢方薬に用いられています。

葉は南天葉(なんてんよう)という生薬で健胃、解熱、鎮咳などの作用があるとされています。
古くから赤飯の折り詰めにナンテンの葉を添える習慣があります。お節料理や魚料理にも使われます。
彩り用だけでなく南天の葉に含まれるナンジニンという物質が料理の温度と水分で変化し、微量のチアン水素が発生して腐敗の防止をすると言われています。
白ナンテンの生葉を噛むと車酔いや船酔いなどの吐き気が止まると言われますが、知覚や運動の神経を麻痺させる作用があり素人が試すのは危険です。

実は南天実(なんてんじつ)と呼び、風邪の咳止めに煎じて服用します。
南天のど飴はCMのメロディで皆さんも良く知っておられると思います。

ナンテンのお箸というのも食あたりを防ぎ、長寿を祈願するということで好まれますが偽の材も多くみられます。
ナンテンの材といえば京都の金閣寺の床柱に使われているそうです。

ナンテンの名前の由来は中国の漢名の南天竹(なんてんちく)、南天燭(なんてんしょく)からきています。
中国では、群がる様子がタケに似ているので「南天竹」というようになったようです。

南天の実付きをよくする方法
日当たりのよい場所に植え、雌雄同株ですが2本以上近くに植えると実付きが良くなります。
窒素過多にならないようにして、乾き気味になるよう少し高めに植えます。
南天は毎年枝条に実をつけるわけではないので、今年実をつけた枝、地際に出た細い枝を整理します。
開花時になるべく雨に当てない。南天の開花時期は梅雨時で花粉が雨に流れて受粉しないことが多い。
軒下などの雨のかかりにくい所に植えるのも一つの対策です。

南天の殖やし方
株分けは3~5本ずつに分けます。高くなった枝は好みの高さで切り、葉をつけなくても芽が出ます。
株分けの適期は3~4月、9~10月です。
挿し木の場合は2月中旬に、古枝を20cmぐらいに切って深めに赤玉土に挿しておけば6月ごろには発根します。

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