11月どんぐりー③シリブカガシ
11月どんぐりー③ シリブカガシ
シリブカガシはドングリのなるブナ科の植物でマテバシイ属です。
ブナ科の仲間でも暖地性の植物で、近畿地方が北限とされています。
近畿地方以西の本州、四国、九州、沖縄に分布し、中国南部・台湾にも分布しています。
葉は互生し長さは6~15cmで、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は微細な鱗毛が密生し、銀白色でやや光沢があります。
シリブカガシの花は9月の終わりから10月にかけて咲き、堅果(どんぐり)は翌年の秋(11月)に熟して落下します。
秋に落果するので春に芽生えると思えるが発芽はゆっくりで夏以降となります。
普通のドングリは春に花を咲かせ、その年または翌年の秋に熟し、春に発芽します。
シリブカガシの開花時期・発芽時期は他のドングリとかけ離れていて特徴があります。
幹は多幹になることが多く、自然に株立ちになります。
大阪の泉北や泉南には比較的多く存在し、所々の神社の境内では群落を保っているところもありますが
一般的にはあまり見かけなく、田舎の人たちでも知らない人が多いドングリです。
造園学を学んでいた私にとってシリブカガシは母校のある堺市の美弥木神社の大阪府天然記念物指定の木ということで、木の名称のおもしろさ、珍しさで名前だけは頭の片隅に残っていました。
私が初めてシリブカガシを見たのは数年前からボランティアをしている大泉緑地です。大泉緑地には2か所4本の木があります。
いろいろな「ドングリ」がありますがシリブカガシのドングリの表面は蝋状の物質で白くなっています。
布などで磨きますと見事にピカピカの黒真珠に変身します。またマテバシイと同じく虫食いがほとんどないドングリです。
これはどんぐりの表面が硬くなかなか虫が中に入ることができないためです。
このことはシリブカガシ・マテバシイとも壊れにくい耐久性のあるドングリといえます。
私の作っているドングリのストラップにいちばん適したどんぐりは色艶ではシリブカガシ、強さではマテバシイと思っています。
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