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10月キンモクセイ

10月キンモクセイ

春の訪れを沈丁花の香りで知るようにキンモクセイの香りが秋の訪れを知らしてくれる。
花は小さくて目立ちませんが、花が散るとキンモクセイの株元を金色に染め趣がある。
花の放つ強い心地よい芳香で日本人には最もなじみの深い香りの一つであった。
しかし、一定の年齢以上の人にはトイレの臭いを連想する。
かってトイレの芳香剤と言えばキンモクセイの香りだった。
しかし、スーパーやドラッグストアの芳香剤の売り場にはラベンダーや柑橘系、せっけんの香り等様々な物が売られているが、キンモクセイの芳香剤はほとんど見ることはない。何故か?
エステー化学㈱は「今ほどインフラが進んでいない頃は汲み取り式のトイレがほとんどで戸を開けたら異臭を放つトイレが多かった。そのにおいを消すには、悪い匂いに負けないより強い香りが必要でした。
それが甘めでしっかりとした香りのキンモクセイだった」。
また、昔からの古い家では、トイレの近くにキンモクセイを植えている所が多かった。
キンモクセイの芳香剤は70年代初めから90年代前半まで主流だったと言う、約20年間、トイレの香=キンモクセイだったわけである。
だから、キンモクセイの香りはトイレの香りのイメージが定着しすぎてほとんど製造していなく見つけることは難しい。
トイレのイメージがつきまとうキンモクセイだが、かつて古代中国では桂花(けいか)と呼び、
そこはかと漂う甘く優雅な香りから月の世界からやってきたと考えられていた。
この花を白ワインに漬けて3年ほど寝かせた宮廷の秘酒桂花陳酒が作られた。
この秘酒は美容と健康の為中国の絶世の美女楊貴妃の命により作られたと言い、その製法は千年以上も公にされることは無かったと言う。
花を砂糖漬けにした「桂花糖」は食材・調味料・お菓子の香りづけ等に使われる。

キンモクセイは春に伸びた新梢に8月上旬頃に花芽が作られその年の秋に開花する。
花木の中でも花芽形成から開花までの期間が最も短いものの一つです。
キンモクセイは排気ガスなどの大気汚染に敏感で交通量の多い道路沿いでは花芽が付かなくなったり、花が咲いても貧弱で香りも弱くなる。葉の表面が汚れるとおこり易いそうです。
そんな時は生育期に葉の表面を洗い流す様に水を強くかけてやると花つきがよくなるそうです。

モクセイの名前の由来
漢名の木犀の音読みで幹肌が動物の犀(さい)の堅い皮膚に似るから。

モクセイの種類
1 キンモクセイ(金木犀)(中国名 丹桂)・・・オレンジ色の小花、香りが強い。
2 ウスギモクセイ(薄黄木犀)(中国名 金桂)・・・薄黄色の小花、香りが弱い。
3 ギンモクセイ(銀木犀)(中国名 銀桂)・・・白色の小花、香りが弱い。

キンモクセイの故郷
キンモクセイの原産地は中国南部で木犀は中国では「桂花」と呼ばれます。
日本でカツラ「桂」は落葉高木でハート形の葉が印象的な庭木にも使われる別のものです。
桂林の桂は中国語で金木犀の意味。つまり、桂林は金木犀の林の街ということになる。その名のとおり、桂林市内には45万本の金木犀の木があり、秋にはいっせいに花が開き、街中が黄色の花と香りに包まれるという。
ホテルを出るとすぐにモクセイが歩道の両側に植えられており、まさにモクセイの木のトンネルである。
 桂樹(モクセイ)が沢山あるということから、この街の名前が桂林と名前が付けられたというのが納得できます。バスで桂林の街中を走っても、街路樹には、モクセイが数多く植えられています。ただ、路上には花びらが散っているが、木の色が花の色となるほどではない。
 このツァーに参加する時の広告のうたい文句に「この時期キンモクセイが満開です」とある。

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