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10月アキニレ

10月 アキニレ

アキニレは本州(中部以西)、四国、九州の丘陵帯の荒地、海岸近くや川岸などに自生する
落葉高木で、高さ15メートル、直径60センチに達する。
沿岸地の高木植栽に適している。水辺に生えるためカワラゲヤキとも呼ばれる。
都会地では街路樹や緑陰樹として植栽される。

本来、造園木ではないが、葉が細小なので、刈込みによって庭木として、また公園、庭園、街路樹としても植栽される。萌芽力があり、剪定にも耐え、移植にも強い。

高木としては葉が小さく、長さ3センチ、幅1~2センチの長楕円形で、ニレ類で
は一番小さな葉をつける木。種名の parvifolia というのは、小さな葉をつけた、という意味。

葉の形は著しく左右不相称で、先端は鈍頭、葉縁は山形の鈍い鋸歯。厚みがあり、やや硬質で光沢があり、ざらつく。紅葉は黄葉である。
枝先は秋に枯れ落ちるので頂芽を欠き、側芽が伸び、枝がジグザグになる仮軸分枝である。
細い枝をたくさん不規則に出し、それにこまかな葉がたくさんつくから、一見まとまりのない樹形になっているが、こまかな葉で密に形づくられた樹冠が柔らかな雰囲気をつくり、ほかに類を見ない独特の樹形になる。
直幹でよく分岐し、雄大な樹冠である。材が堅く、樹の様子がケヤキに似ているため別名イシゲヤキ。盆栽ではニレケヤキと呼ばれる。

アキニレは8~9月に開花し、種子は10月に成熟する。種子は扁平で大きさは1センチぐらいの翼果をもつ。翼果の中央に約5ミリの広楕円形の種子がある。
ニレ類の果実を楡銭という。これは翼が種子を囲んでやや円く、銭の形を呈するためである。落葉したあとも果実が残り、越年することが多い。種子散布は風散でなされる。
 
北欧神話によれば、神々はニレとトネリコから、人類最初の女(エンブラ)と男(アスク)を創造したという。また、イギリスではニレにブドウのつるをはわせる習慣があり、結婚や良縁のシンボルになっている。このようにヨーロッパではニレに関する神話が多くある。

アキニレの若芽を煮て水にさらし、おひたしや和え物に利用する。
種子も飢餓のときには食用にした。
日本には、若芽や若葉が食用になる樹は多い。タラノキ、コシアブラ、リョウブ等山菜の代表である。

樹名板づくりは人気があります。樹名板には図鑑に載っている正式な木の名前だけでなく、その木の愛称も付けると親しみがわきます。子供たちはアキニレの木は「ゴジラの木」と名付けました。なぜゴジラなのかというと、幹がゴジラの肌に似ているから。子どもたちの着眼点・発想には、感心させられます。

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