10月どんぐりー②クヌギ
10月どんぐりー② クヌギ
クヌギは北海道南部から本州・四国・九州を経て沖縄まで、各地の山地に分布する高さ15~25Mの落葉高木です。
クヌギは日本の何処にでもある、ごくありふれた木のように見えますがなかなか興味深い木です。
檪・橡・椚・櫪・椢・椡・栩・椪・欅これらの漢字はすべてクヌギの木を表します。
これほど多く字が当てられた木は他にはありません。
これはクヌギがいかに人々の生活に深くかかわっていたかを顕わしています。
人々が燃料として一番使われた薪は火力が強く、はぜることが少ないクヌギでした。
シイタケの原木としてもコナラなど他の木より大きい肉厚のシイタケがたくさん生育する、最良のほだ木です。
炭の材料としても重要なものです。この炭は断面が菊のようになることから菊炭と言われ、茶道でも使われます。
クヌギは伐採しても、切り株から萌芽、再生する力が強く、繰り返し炭の材料として使用されたため特殊な形をしています。
これを台場クヌギと言います。これは炭を作るために木を地上1~2mのところで切る→その切り口から芽が出る→10年ぐらい経つと、芽が炭にちょうどいい太さになる→繰り返し切って炭にすることによってこの形ができます。
地上1~2mのところで切るので鹿などの動物に芽が食べられにくくなります。
この台場クヌギは炭焼きの伝統とともに、代々受け継がれてきた大切な文化なのです。
クヌギの名前の由来は
①クニギ(国木)が転じてクヌギになった。人々の生活に一番密着していた木という意味で国木と呼ばれたのでしょうか。
②クヌギは栗と見誤りやすい、特に葉は良く似ている。「栗似木」からクヌギとなった。
③クノキ(食之木)で食べられる大きな木の実を付けるドングリの総称からクヌギとなった。
④地名で久木とかいてクノキと読むことが多く、クは火に焚く木、薪を意味し、その薪がクヌギに限られるようになり、クヌギに転じた。
⑤クノキのクは果実を表し「果実の木」の意味のクノキ(果の木)からクヌギに転じた。クリ、クルミもクノキから派生した。
また、こんな伝えもあります。
「人間と樹というものは何千何万年も前からお互いに助け助けられてきた。
病気は昔からあったもので、今はじめて病気ができたものでもない。
それを自然と治してくれたのが木であった。」
人にとって、木は苦抜樹(クヌギ)でした。
木は林を作り森となり、森は苦抜きの場所です。
森に親しみ、木(樹)と戯れ。木(樹)を楽しみ、木(樹)に癒されます。
これを、楽しむ木=檪(クヌギ)と呼びます。
カブトムシやクワガタムシも呼びよせます。
また、クヌギの木の実は日本で最大級のドングリを付けます。
どんぐりクラフトを作る時も大きな木の実のドングリは魅力的です。
大泉ヒーリングガーデナーのHPをみて私もクヌギのドングリでトトロを作ってみました。
クヌギ坊やの壁掛けもなかなかの出来と思っています。
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