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9月ヒガンバナ

9月ヒガンバナ [#s700a03f]

彼岸花:ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。

御所市一言主神社にて*

田んぼの畦道などに群生し、9月中旬に赤い花をつけるため、お彼岸の頃に咲く花として親しまれています。昔はおどろおどろしい呼び名で不吉な花とされ、植えたり、活けたりすることはタブーとされていました。
しかし、最近ではヒガンバナの花の美しさから、群生しているところが花の名所となり、公園などでも植えられることが多くなりました。

花言葉は、「情熱」「悲しい思い出」「独立」「再会」「あきらめ」「思うのはあなた一人」「また逢う日を楽しみに」。

ヒガンバナの別名(呼び名)
「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ・かんじゅしゃか)は、サンスクリット語で天界に咲く花「赤い花・天上の花」という意味。
おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ています。
サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
開花期間が1週間ほどなのに、秋の彼岸と時を同じくするかのように開花する彼岸花は、あの世とこの世が最も通じやすい時期に咲く花です。

彼岸花はアルカロイドの一種リコリンを含む有毒植物で、そのため「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などと呼ばれています。

お彼岸に咲き、土葬をモグラや野ネズミなどの害を防ぐ意味もあって墓地などによく植えられているため、「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。

田んぼのあぜ道や土手に多くみかけますが、これはノネズミがあぜ道や土手に穴を開けるのを、彼岸花の毒性のある球根を植えることで防ぐ、という説と、
彼岸花の根茎は強いため、田んぼのあぜ部分に 植えてあぜの作りを強くするため、という説があります。

その反面、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に苦しい時に毒を抜いて食用にすることもあったそうです。
田んぼの畦道に彼岸花が多いのは、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあります。

花の様子から、「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」「剃刀花(かみそりばな)」など、全国にはたくさんの呼び名があります。

花のある時期には葉がなく、葉のある時期には花がないという特徴から、「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」と呼ばれています。また、このことから、「花は葉を思い、葉は花を思う」とも言われ韓国では「サンチョ(相思華)」の異名があります。

彼岸花には、すーっと伸びた茎に鮮やかな花だけがついていて、葉っぱが全く見あたりません。これも妖しく見える原因のひとつですが、実は、花が終わってから葉が出てくるのです。

彼岸花の生長サイクル
【 秋に急成長・開花 】 彼岸花は、秋雨が降ってやがてお彼岸という頃になると花芽を出し、1日に10cm近くも茎が伸びて、瞬く間に50センチ位になり、あの真っ赤な花を咲かせます。そして1週間ほどで花も茎も枯れてしまい、今度は球根から緑の葉っぱがすくすくと伸びてくるのです。
【 冬に葉を茂らせる 】 冬になって周りの植物が枯れても、たわわにしげった葉っぱのままで冬を越します。他の植物は枯れたり、葉を落としたりするので陽が良く当たり、せっせと光合成して、球根に栄養を蓄えます。
【 初夏に枯れる 】 ゴールデンウイークを過ぎた頃、葉を枯らして休眠期に入ってしまいます。
【 再び秋に開花 】
やがて秋雨をたっぷり含んでから、急ピッチで姿をあらわして、再び花を咲かせます。

まるで普通の草花とサイクルが逆で面白いですね。
夏場、他の植物が繁茂していて見苦しい時、管理のため草刈り機で刈り飛ばしてもヒガンバナには少しの影響も与えません。
冬は他の植物もそれほど生長しないのでヒガンバナは太陽の陽を独り占めでき、群落を作ることができるということです。

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