木、植物の知識を深めるサイト

9月コスモス

9月 コスモス

コスモスの仲間はメキシコを中心に約20の野生種が知られています。

野生種は草丈2~3mになりますが、園芸品種は矮性種で40cm、高性種で1.5mほどです。葉は細かく枝分かれして羽状になります。
茎の先端に付ける花径は直径5cm程、大輪種では10cmを超します。
コスモスの花は、ピンクや白に加えて濃赤、黄やオレンジ色、複色が登場し、年々カラフルになっています。
最近は、八重咲き、花びらが筒状になったストロー咲き、花弁の縁が色づいた品種など色や咲き方も多様です。
性質はいたって丈夫で、日当たりと風通しがよい場所であれば、あまり土質を選ばずに育ちます。
園芸品種には一定の気温があれば日長に関係なく開花する早咲き系があります。
早咲き系は春早めにまくと初夏には開花します。
また、早咲き系に対して従来通り秋に咲く系統を遅咲き系と呼ぶこともあります。
ちなみに、主力で広く普及しているのは早咲き系の品種です。

日本の秋の風物詩となっているコスモスは、コスモス・ビピンナツス(Cosmos bipinnatus)という種類です。
メキシコの標高1600m以上の地域に自生し、日本と同様に、秋になると道路わきや休耕地で、ピンクやまれに白い花を咲かせて群生するのが見られます。
このコスモス・ビピンナツスは、日が短くなると花芽をつける短日植物なので、かつては夏にタネをまき、秋に花を楽しむものでした。

ヨーロッパへは17世紀末~18世紀初頭にスペイン人神父によりもたらされました。
コスモス(秋桜)の花名「cosmos」の語源は、美しいという意味のギリシャ語「kosmos」に由来します。これは、「秩序」「美しい」「調和」などを意味します。
このことから、星がきれいに美しくそろう宇宙のことを「cosmos」と呼び、また、花びらが整然と並ぶこの花も「cosmos」と呼ぶようになったと言われています。

日本へは江戸時代末、文久年間に伝わりました。
広く普及したきっかけは明治前期、イタリアから東京の美術学校に赴任してきたラグーザによって持ち込まれたタネによると言われています。

日本では秋に桜のように群生して咲くことから、秋桜(あきざくら)と呼ばれていた、という説と、花びらの形が桜に似ているからこう呼ばれている、という説があります。
明治12年に日本に渡来した時に「秋に咲く桜のような花」という意味で「アキザクラ(秋桜)」という名前がつけられました。
コスモスは外来種なので、和名が「秋桜」であっても、それを「コスモス」とは読みません。
「秋桜」と書いて「あきざくら」と読みます。

では、なぜ「秋桜」と書いて「コスモス」と読むようになったのでしょうか。
それは、昭和52年に山口百恵が歌った「秋桜」という歌謡曲が大ヒットしたからなのです。嫁ぐ娘が母を思う気持ちを歌った歌で、作詞作曲はさだまさし。
曲のタイトル「秋桜」を「コスモス」と読ませ、歌詞の中でも「秋桜」と表記して「コスモス」と読ませました。
「秋桜」と書いて「コスモス」と読ませる…。当時の歌謡曲は、キーワードとなる漢字を違う読み方で読ませるのがはやっていて、有名なところでは「本気」と書いて「マジ」、「恋敵」と書いて「ライバル」、「運命」と書いて「さだめ」など。
これら3つは幾分「無理矢理感」が感じられますが、「秋桜」と書いて「コスモス」は図鑑や難読漢字にも取り入れられるほどで、歌の世界から抜け出し、ほぼ一般化しています。

9月14日はコスモスの日と言われるそうです。
ホワイトデーから半年目の日、プレゼントにコスモスを添えて交換し、お互いの愛を確認しあう日といわれています。ちなみに赤い秋桜(コスモス)の花言葉は「愛情」です。
しかし、知っているひとは皆無ではないかと思います。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional