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7月朝顔

7月朝顔

アサガオは小学校でも教材としても用いられているので、おそらくは日本で最もなじみの深い草花の一つ。
早朝に咲いて日が昇る頃にはしぼむ、つるを伸ばす夏の花。
真夏の早朝に赤・白・桃・紫など色とりどりの花が美しく咲き乱れ、すがすがしい気持ちにさせてくれる。

原産地は中国南部から東南アジアと言われていたが、最近の研究ではアメリカ大陸が有力視されている。アサガオはアメリカ原産のイポメア属植物と遺伝的に近縁であることから。ただ、伝搬方法等明かではない部分も多い。

日本では古くから栽培されている植物で、日本原産の植物のように感じる。

日本には奈良時代に中国から薬として入ってきた。
時代は奈良時代末期との説と平安時代との説がある。元々薬用で、牽牛子(けんごし)と呼ばれる種子は粉末にし下剤や利尿剤として利用された(煎液では効かない)。

現在のアサガオが日本に伝来する以前、「アサガオ」はキキョウやムクゲのように朝に開花する花を指していた。

現代のアサガオを指した「阿佐加保」との言葉が用いられ始めたのは平安時代初期。
当時の花色は薄青色のみだったそうです。

江戸時代になると主に観賞用として改良が盛んに行われ、江戸中期以降には八重咲きや花弁が細く切れたもの、花弁が反り返ったものなど、花色や品種が豊富となった。

当初薬用だったアサガオが鑑賞目的に栽培されるようになったのは江戸時代に入ってからです。 江戸初期に白色のアサガオが登場、江戸中期以降には八重咲きや花弁が細く切れたもの、花弁が反り返ったものなど、花色や品種が豊富となった。花や葉が珍しい『変化アサガオ』の登場でその栽培熱は最高潮に達し、庶民にまで広く栽培されるようになりました。

明治に入ると、アサガオに対する人々の嗜好にも変化が現れました。いかに大きい花を咲かせられるかという、『大輪アサガオ』に人気が移ったのです。大輪アサガオは直径が20cmを超す花を咲かせるものに冠されます。

以上見てきたように、江戸時代には栽培が確立された古典植物のひとつです。記録にはあるものの時代の流れの中で実物が失われた品種もあると聞きます。日本で最高の園芸技術が確立された植物のひとつといえるでしょう。
様々な仕立て方や栽培方法があり、愛好家も多く、突き詰めると趣味性の高い植物と言えます。いっぽう、単に花を咲かせるだけならさほど労はないので、学校教材としても利用されます。

近縁種
植物学的にはアサガオというと学名で’Ipomoea nil’と呼ばれる種を指すのですが、園芸では以下の種もアサガオしくはアサガオの仲間として広く親しまれています。また、これらと掛け合わせて作られた園芸品種もたくさんあります。

アメリカアサガオ〔I. hederacea〕
熱帯アメリカ原産、径3cmほどの淡青色の花を咲かせます。日本には明治時代に入ってきて、現在は各地で野生化しています。アサガオとは最も近縁の種とされます。

ソライロアサガオ〔I. tricolor〕
セイヨウ(西洋)アサガオとも呼ばれます。花の大きさは8cm~10cmと大きく、名前の通り空色の花が魅力的です。生育は旺盛で縦横無尽につるを伸ばすのでグリーンカーテンとしても利用されます。アサガオとはやや遠縁です。園芸品種の’ヘブンリーブル-’は広く栽培されており、曽野綾子の小説「天上の青」でも有名。

マルバアサガオ〔I. purpurea〕
熱帯アメリカ原産、ヨーロッパやアメリカで改良されて色々な園芸品種が作られました。アサガオに比べると寒さに強い品種が多いのが特長です。花色は紫、青、白、赤などがあり、絞り模様になる品種もあります。ツルがよく伸びて花色もカラフルなので、垣根や柵に絡ませても楽しいです。

ノアサガオ 〔I. congesta〕
西日本、南西諸島に分布します。多年性で花後は枯れずに根付き、毎年花を咲かせます。花の大きさは10cm前後で色は青紫色、沖縄ではアサガオというと本種がポピュラーです。タネはほとんどできませんが、茎から根を出して簡単に増えていきます。変異種に花が非常にたくさん付く’オーシャンブルー’があります。琉球アサガオの名前で出回ることもあります。

名前の由来は「朝の顔」ではなく、「朝に咲く容花(かおばな)」説です。
「容」は古語で「ひときわ美しい」と言う意味があり、「容花」は「ひときわ美しい花」となります。
ちなみに、単に「容花」と言うと、ヒルガオのことを指すとされます。

アサガオの種は「牽牛子(けんごし)」と言い、漢方薬に用いられます。
種子を粉末状にする事で下剤や利尿剤として使われています。
アサガオは種には毒もあるので素人が扱うのは危険です。
誤飲の主な症状は腹痛、下痢、嘔吐、血圧低下などです。

古代中国においては、朝顔は高価な薬で、牛と取引きされるほどのものだったため「牽牛(ケンギュウ)」と呼ばれたそうです。
また、本草綱目(1596)によれば、中国で王の大病をアサガオの種で治し、謝礼に牛(当時は財産であった)を与えられ、牛を牽いて帰った事からとの説もあります。
漢名に基づくと「ケンゴカ」。
「ケンギュウカ」も誤りではないとされるが、元々誤読から「ケンギュウカ」と呼ばれるようになりました。
「牽牛花」と書いて「あさがお」と読むこともあります。

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